フツウの偶像

この記事は今日から142日前、去年の10月頭に書いたがどうしても投稿できなかった記事だ。下書きを読み返してみると、鬱で苦しんでいた当時の状況がリアルに残っていたので、投稿しようと思う。 仕事に行けなくなったのは二度目だ。二度目に行けなくなってか…

死生観の更新(多孔質の無としての死)

昨日は山手線を一周した。11時間20分、51㎞かけて歩いた。 その間に、死生観を更新できたので残しておきたい。死についてこんなに考える年齢になったんだなぁ。 私は、死は輪廻や再生より無だという意見に概ね賛成なんだけど、でも死は完全な無ではないんじ…

死は回転扉

私は現在、抑うつ状態・適応障害で休職していますが、ひとつ掴めたことがあるので、残しておこうと思います。 死にたい死にたいと苦しんでいた9ヶ月間が報われた思いです。 死は回転扉だ、という話をします。 読んでいただけると嬉しいです。死にたいと悩ん…

壁に生えた黒い黴は

家事への逃避をだいたいし尽くして、休職中のやることがなくなってしまったので、手持ち無沙汰な日々が始まった。休職中の家事は、逃避であり、思考の留保であり、生活の着色でもあった。 夏の間に部屋の壁に生えた黒い黴は、自分の心にまとわりついたずるさ…

休職中の過ごし方

9月に休職してからというもの、休職中にどう過ごせば良いのか、いまいちわからない。 というのも、休職後に、いまの会社に復帰したいのか、退職したいのかが決まっていないのでどうもダメだ。ゴールが定まっていないのだ。これには転職リスクの問題が絡まっ…

いまを照らせ、いまを耕せ

2022年8月に胃潰瘍と適応障害を発症し、休職した。12月中旬から復職しなんだかんだ勤めていたが、9月上旬から再びメンタルが沈んでしまい、会社をお休みしている。 12月から書いていた抑うつ闘病記も1万5千字を超えて9割書き終わっていたが、再び構成からや…

坂口恭平日記

坂口恭平さんを知ったのはたぶん2015年頃で、知ったきっかけは音楽やいのっちの電話だった。それからは著書も何冊か読んでいたしアルバムも何枚か聞いていた。家族でレコーディングしているアオとゲンのアルバム「クマと恐竜」がいちばんのお気に入りだ。 20…

湊かなえ「告白」を読んだ

湊かなえ「告白」を読んだ。 告白 (双葉文庫) 作者:湊かなえ 双葉社 Amazon 中学生の学校生活を舞台にして、不穏の最悪を詰め込んだようなストーリー。 サイコパスなのにどこか人間的なキャラクターたち。登場人数はそれほど多くないのに魅力的だから惹き付…

職場に復帰することが決まった

ようやく職場への復帰を決めた。12月頭から復職の予定だ。医師や上司とも何度も相談し、最後は自分で決めた。復職後の働き方について交渉し、ある程度業務コントロールできるようにお願いした。 村田沙耶香「コンビニ人間」を読んだ。涼しい温度で普通につい…

最近のこと

休職期間が残り数日に迫り、復職か延長かを決めるタイミングが差し掛かる。4週間前と比べれば確実に前進はしているはずだ。とくに、「いやな気分よ、さようなら」という本を読んでから、自分の感情に対して妥当性や合理性に関する検証を挟めるようになったこ…

木下龍也「あなたのための短歌集」を読んだ

上坂あゆ美さんの短歌集「老人ホームで死ぬほどモテたい」を読んでから、短歌の面白さを知った。 作り手は短い音で一瞬を切り取り、読み手はその一瞬に降り募る情景や心情に思いを寄せる。たった三十一文字で作り手の景色と心情が行間まで補って私に再現され…

燕岳に登る20221105-06

北アルプスの燕岳に登った。 大学時代の友人から数日前に誘われて急遽登ることになった。先月の誘いは体調面で不安があり断ってしまったが、この2週間は調子が良い。この分であれば職場にも復帰できそうだ。 朝、5時に起きる。寝坊が不安であまり熟睡できな…

老人ホームで死ぬほどモテたいを読んだ

上坂あゆ美「老人ホームで死ぬほどモテたい」を読んだ。 老人ホームで死ぬほどモテたい (新鋭短歌シリーズ) 作者:上坂あゆ美 書肆侃侃房 Amazon 何年か前からよくTwitterで作品は目にしていたが、ようやく歌集を買った。平熱で生死を、乾いた目で性や暮らし…

認知行動療法に関する読書の結果

先日、メンタルクリニックのカウンセリングを受けて、認知行動療法について勉強したくなり、ジュンク堂へ向かった。マンガでわかる認知行動療法という本を一冊立ち読みして、それから「うつ病のバイブル」と帯に記してあった強気な本を買った。 マンガでわか…

胃腸炎の時の療養

金曜日に再び胃腸炎に罹った。下痢が止まらなくなってしまう。嘔吐しない範囲では水はこまめに少量を飲んだ方がよく、また下痢を回復させるためにはおかゆやリンゴのすり下ろしなど流動食を少量ずつ摂った方が治りが早いようだ。短期的には症状が悪化してい…

クソみたいな毎日の出口は美しさかもしれない

秋は炊き込みご飯をつくりたくなる。 何が旬かはわからないが、きのこはたぶん旬だろうしニンジンもごぼうも心なしかいつもよりもおいしい気がする。というわけでこの時期は、毎年炊き込みご飯をつくっている。 具材は人気どころの、にんじんやしめじ、舞茸…

警戒心を親切心へ

20221003 数年ぶりに目黒に降り立つ。喫茶店を探し、ダウジングマシーンのように街をいたずらに歩き、宮腰屋珈琲に決めた。 カウンターに座りケーキセットを注文。席ではチーズケーキを片隅に、さくらももこの「そういうふうにできている」を読み返した。 そ…

向かい風

20221001 体重計に乗ると、51kgだった。 休職したときには胃潰瘍もあって体重が減ってしまい47kgまで落ちていたので、ようやく戻った。とはいえ全体の筋肉量は減り腹部の志望に変わった気がする。からだが重たい感じ賀するので少し体重を落とすか筋肉を増や…

諦めで失敗は完成する

20220928会社の勤怠システムに有給を登録するように言われたので、朝イチでパソコンを開く。長期休暇願いを記入、コピーしてから郵送した。 新宿御苑へ。いつものとおり、太陽と日陰の推移を予測し、場所にあたりをつける。レジャーシートを敷いて椅子を組み…

再び、始める

20220926 8月3日から仕事を休職している。厳密には有給を使っているわけだが、そんなことは些末なことだ。 初めは胃を壊し、だんだんとメンタルも崩していることに気づいた。いまは服用と休業をして療養している。 仕事による過度なストレス、不規則な生活が…

年末年始っし

年が明けた。昨年11月末、部下の看病で救急車に同乗したところ感染性胃腸炎を患い、12月上旬を1週間近く休むはめになった。白米はおろかスープすらも食べられず、苦しかった。 仕事柄、需要が高まる年末は非常に忙しかった。それでも、職場の雰囲気がかなり…

体調を崩す

ここ一ヶ月体調を崩している。咳から始まった風邪は切れるような喉の痛みだけ残していき、それがなかなか治らない。会社は既にとびとびで3日休んでいる。この調子だと今週末の燕岳は難しそうだ。 仕事が楽しい。マネジメント層に行って1年が過ぎた。いきなり…

20190924 ザ・なつやすみバンド@ビルボード東京

ザ・なつやすみバンドのビルボード東京公演に行った。振休と翌日の午前休まで取得して、準備は万端。初めて行くビルボード東京はラグジュアリーでファビュラスな会場だった。2000円するバジルの冷製カッペリーニ(ウニ添え)がしっかり美味しかったのがなんだ…

夏の残滓

最近はカネコアヤノ「燦々」をずっと聞いている。アルバムにこんなに気持ちが向かったのは久しぶりだ。まいっちまうような毎日に、新鮮でささやかな力をくれる。セゾンから光の方へにつなげる、暮らしにおける確かさよ。おもわず拳を握ってしまう。圧倒して…

なんでもないなにか。なんにもないなにか。

タピオカブームも一段落というところで、巣鴨のわらび餅屋でわらび餅ドリンクを買った。さすがに31歳。タピオカブームの中でわらび餅を選ぶようなことで自我を保つような卑近さはもう捨てられている。しかしこれがとても美味しくて、翌週再訪してドリンクと…

探勝路の優勝登山 20190825-27猪苗代駅~磐梯山~裏磐梯

昨年上高地に行ってから探勝路への興味が高まり、色々と調べている内に裏磐梯は日本でもっとも探勝路が集まる場所ではないかと考え、行ってきました。せっかくなら荷物をすべて自分の足で運びたい。その過程と結果は車で運ぶより不便で豊かだ。不便さとは、…

椅子とプラムとあんみつと@奥多摩氷川渓谷20190818

川辺で果物を食べたい。朝起きるとそんな気持ちが募った。奥多摩へ行こう。急いで支度を始めた。まずは保冷バッグにプラムを詰めた。それから椅子も持っていく。電車の時間に余裕があったので近所の和菓子屋であんみつもひとつもらっていった。ホリデー快速…

20190812霧ヶ峰、花の旅

20190812、霧ヶ峰へ行った。初心者を連れて歩いたのだが、おれも初心者を連れて歩けるほどには上達したらしい。連れがスニーカーしか持ちあわせてなくて、かといって登山靴を買うのは本当にやりたくなってからでいいのではないかと考え、スニーカーのまま行…

盆踊りセット

なつやすみバンドの盆踊りセットライブを見た。浜町公園へ。小さな地元の祭りだったが、的屋ではなく地元民が運営していたところがすごくよかった。こじんまりとしたステージでファンが最前を固めてしまって地元の人が見えなくなるのは嫌だなと思っていたら…

老人と畑

土曜日、祖母に会いに水戸へ行った。前日、部下が定時後に救急車で運ばれて、その対応に追われた。心配しながら電車に乗った。上野でお土産として桃のゼリーを買った。4つで4000円くらいの良いやつだ、奮発した。祖母は2年前に会ったときに寿司屋で軍艦の海…