夏の残滓

最近はカネコアヤノ「燦々」をずっと聞いている。アルバムにこんなに気持ちが向かったのは久しぶりだ。まいっちまうような毎日に、新鮮でささやかな力をくれる。セゾンから光の方へにつなげる、暮らしにおける確かさよ。おもわず拳を握ってしまう。圧倒してしまうような迫力や気持ちを歌にのっける表現が卓越している。良い音楽が売れる訳じゃないけどそういうのぜんぶぶっ壊して売れてほしい。

朝の公園で朝御飯を食べながら「燦々」を流した。目の前には近くの保育園から遊びに来た園児数十名がかけっこをしている。芝生の上を走り、一列四名のうちひとりが黄色いゴールテープを切っていく。それをながめながら音を聞いた。平日の朝。外はまだ暑くて、夏の残滓。素晴らしい時間だった。