椅子とプラムとあんみつと@奥多摩氷川渓谷20190818

f:id:X_Y_Z:20190821080215j:plain

川辺で果物を食べたい。朝起きるとそんな気持ちが募った。奥多摩へ行こう。急いで支度を始めた。まずは保冷バッグにプラムを詰めた。それから椅子も持っていく。電車の時間に余裕があったので近所の和菓子屋であんみつもひとつもらっていった。ホリデー快速おくたま号に乗らないことで開ける選択肢があるのだ。本当に必要なものだけが荷物だ。

お昼、奥多摩駅に着く。思えば奥多摩駅には何度も来たものの、お店でご飯を食べたことはほとんどなかった。今日は山には登らない。柳小道のそば処「おく」にお邪魔した。店先には数人が並んでいた。

店に入ると天せいろと自家製わさび漬けを頼んだ。自家製わさび漬けには山椒の佃煮が添えられていて、これが非常に美味しかった。山椒独特の風味の奥に、フルーティーな香りがやって来る。鮮烈とはこういうことを言うのだろう。これはおすすめなので奥多摩に立ち寄ったときには是非召し上がってみてほしい。

その後、氷川渓谷に降りた。周りは水着で水遊び、バーベキューを楽しんでいる。人もちょうどいいくらいだ。


f:id:X_Y_Z:20190820083340j:plain

f:id:X_Y_Z:20190820083419j:plain


私はといえば、川辺の端っこに椅子を構え、腰を落ち着けた。ザックから取り出したプラムをかじる。うめえ。家で食べるよりもうまい気がする。川の音が、そよ風が心地よい。

f:id:X_Y_Z:20190818133151j:plain


f:id:X_Y_Z:20190820083656j:plain

続いてあんみつを用意した。色鮮やかな見た目が涼しい。

f:id:X_Y_Z:20190818132105j:plain

ここに黒蜜をかける。白いキャンバスを汚すような背徳感があった。一口食べると黒蜜の甘さが背徳感を加速させた。あんみつの暴力のような甘さに脳がしびれる。中学生のエレキギターかよ。


f:id:X_Y_Z:20190818132121j:plain


山で食べる食事がうまい。食事を求めて登る人もいるだろう。向かう、移動、集う。その移動は付加価値を自ら作り出す行為でもあるはずだ。少なくとも今日、2500円の交通費をかけてこの場に来た。今日のデザートには私にとって3000円以上の価値があったのだろう。その価値を自らの身体で作り出すことは、私は私のために役に立てるし、私には私のために奉仕する価値があるということだ。私は私の荷物になれる。本当に必要なものに。


僕らは薄着で笑っちゃう。2時間ほど、ほとりで過ごす。雨が降り始めるところで帰ることにした。奥多摩駅併設のカフェにてコーヒーゼリーアイスを頼んだ。


f:id:X_Y_Z:20190818150009j:plain


よい一日。

夏休みはやっぱり短い。やりたいことが目の前にありすぎて。夏休みは計画立てよう。人がたくさん集まるところやめよう。