認知行動療法に関する読書の結果

先日、メンタルクリニックのカウンセリングを受けて、認知行動療法について勉強したくなり、ジュンク堂へ向かった。マンガでわかる認知行動療法という本を一冊立ち読みして、それから「うつ病のバイブル」と帯に記してあった強気な本を買った。

 
マンガでわかりやすい うつ病の認知行動療法―こころの力を活用する7つのステップ
 
まずはマンガの方で大枠を掴む。もう一冊の方は500ページくらいの分量で、さながら辞書のような分厚さだった。訳本のため多少癖はあったが、事例も多く文体は読みやすそうだったので買うことにした。
内容を要約すると「①人の気分や感情というのは、その人の思考、考え方に左右される」「②うつ状態の時には歪んだ考え方のために憂鬱な気分に陥り抜け出せなくなる」「③認知行動療法により、考え方を合理的に戻していくことでうつ状態を治療していく」ということが記されていた。それが認知行動療法の基本なのだろう。

いま、自分自身の抑うつ状態を振り返ると、「脳の疲れにより心身に異常をきたし、正常な思考(特に自己検証的な思考、思考の持続集中)ができなくなり、合理的な判断に支障をきたし自分で自分自身を傷つけている(過剰な自己批判)」という状態であったように感じる。以下は私の症状だ。

・言語コミュニケーションがうまくできなくなる(活字が読めなくなる、書けなくなる、会話に集中できなくなって他のことを考えてしまう)

・人がたくさんいる場所、大きな音のする場所に出掛けられなくなる(気分が悪くなる)
・自分の好き(趣味)が薄れていく
・自分がどんな人間かわからなくなっていく

・自分の手で人生をドライブしていく感覚が薄れていく
・自発的な思考がなくなり受動的な情報消費が増えていく

 

本書の内容は自分自身の症状や経過、経験に照らしても納得できることが多かった。

実際、この1週間で抑うつの感情が芽生えたときにも、その感情に通底する自身の考え方の合理性について、一歩引いて客観的に検証できるようになった。そのため、読み始めてからは憂鬱な気分に引っ張られ続けることがいまのところかなり少なくなった。

本書のなかでは、様々な不幸な境遇や他者の苦しみが出てくる。その抑うつ気分に共通して、底面に流れている不合理な考え方を筆者が対話のなかで検証し、1枚1枚丁寧に剥がしていく過程により、自分自身の不合理な考え方が透けて見えてくる感覚があった。

 

医師や臨床心理士は助けにすぎず、患者自身で治療のハンドルを握る必要があると考えるが、そういう意味で、読書というのはよい方法かもしれない。世の中にはどうやら読書療法というものがあるらしいが、それも理解できる。

 

ただし、分量が多いため、回復期の終盤でないと読み進めるのは難しいかもしれない。初めはさくらももこあたりのライトな文章でリハビリするのが結果としては近道かもしれない。

 

今日は医師との診察だ。数えてみると8回目だった。今週は、いままでで一番前を向けたと報告しよう。