警戒心を親切心へ

20221003

数年ぶりに目黒に降り立つ。喫茶店を探し、ダウジングマシーンのように街をいたずらに歩き、宮腰屋珈琲に決めた。

 

カウンターに座りケーキセットを注文。席ではチーズケーキを片隅に、さくらももこの「そういうふうにできている」を読み返した。

さくらももこはこれまで何度も読んでいるが、相変わらず自分に対するあらゆる自虐を許して弁当箱のように詰め込んでいる。軽やかなステップのような、勢いの良い文体で私たちを運んでいく。ユーモアたっぷりの書き口調に、ついつい笑みがこぼれてしまう。たまに、筆が走って回転数が上がりきって宙に浮いているような文章になるときがあって、そんなときの文章が特段に好きだ。

 

宮腰屋珈琲は札幌を中心としたチェーン店のようだが、飲み物もケーキもしっかりおいしく、雰囲気もちょうどよかった。バイトであろう学生っぽい店員も変な馴れ合いがなく、一定の緊張感と喫茶労働に対する好意も感じられて、好感を持てた。

 

その後、ジュンク堂に寄って2時間程度、うろうろとしていた。中村哲さんの著書を購入。それからこれまでの人生で断固として付けてこなかったブックカバーも3つ購入した。先日持ち運んでいたときに表紙が少しだけ破れてしまったためだ。これまではそれほど気にしてこなかったが、なぜか今回は少しだけショックだった。実際に購入してみると、大きいカバーは4000円と、意外と値が張って驚いた。どれも1000円程度とタカをくくっていた。

 

帰宅後、オムライスを作るも卵を失敗したのでチキンライス卵乗せ料理を食べた。チキンライスはしっかりとおいしかった。チキンライスといいながら、お肉は牛豚合挽きなのだが。

 

夜は散歩へ。喫茶店で本を読もうとしたが、時間が遅くなっていたのでそのまま帰宅した。巣鴨の商店街の八百屋が商品の入った段ボールを足で蹴っ飛ばして動かしていて、この店に来るのはもうやめようと思った。

 

寝る前に、自身のうつ状態について少し思いを巡らせる。ストレスフルなうつ状態が募ると私の場合はイライラする気持ちとともに警戒心が高まり、それが対人関係、もう少し厳密にいえば他者に対する信頼の気持ちを棄損させていたように思う。警戒心それ自体はリスクやミスをキャッチするのに有用なんだけども。

しばし過度の警戒心へのカウンターとしての行動を考えていたのだが、それは共感というより、親切なのかもしれないと思い当たった。

共感というのは心がついてこなくてもできてしまう「行為」でしかなく、ひとつ階層としては手前で、他者に向ける態度や行動としては親切が適切だと考えた。

 

20221004

夜はあまりうまく眠れなかった。何かしらの夢を見ていた。翌日の朝、ロイヤルホストへモーニングを食べに行く。ロイヤルホストは過去二回、パフェに異物混入があったのでイメージが悪いが、今日はロイヤルホストでモーニングを食べたかった。

モーニングの料理に特筆すべきことはなにもないが、強いていえばパンに付けるジャムとバターがおいしかった。

 

隣の席が手話の女性三人組でとても静かな雰囲気に包まれた。手話中は意外と身体が動くようで、ソファー越しに振動が伝ってきた。空気ではなく家具を通して賑やかな雰囲気が運ばれるというのは不思議な体験だった。

 

昨日買ったブックカバーは、ジャストサイズとフリーサイズを買ったが、当たり前にジャストサイズが心地よい。フリーサイズは少し使い勝手が悪く感じた。それはそうか。

 

昨日職場復帰の時期について相談した友人から返ってきたLINEを読む。少し納得するところもあり医師に相談してみようと決めた。

 

本屋で本を買い、お昼に家に戻り昼御飯を食べた。

メンタルクリニックでカウンセリングを受けてまた喫茶店へ。カウンセリングの振り返りと読書をした。

茶店に来るお客さんをみていると、街にはいろんな人がいるなと思う。白い手袋を付けた黒ずくめの老齢の女性や、高齢者と話す若い女性。

 

夜は豚肉の塩麹漬けを新米で食べた。新米は含水量が多くて香り高くておいしい。