山そうめんの優勝登山 20190512奥多摩海沢

登山における優勝とはなにか。

未踏峰の登頂や未踏ルートの成功、海外高山の登頂。
ーー憧れはするものの目指すつもりはない。自分の土俵の中で、自分がどんな山登りをしたいかを突き詰めることが大切だ。それが達成できたならば、それはもう「優勝登山」と呼んで良い。

来たる2019年05月12日、奥多摩海沢(うなざわ)探勝路から大岳山に抜けるコースで、食に重心を置いた登山を計画した。

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食については、これまでの登山キャリアを総動員して「ワクワクする食事」を目指した。Twitterで漫画を投稿してる山屋、@kaho54235115さんの山そうめんレシピ(「塔ノ岳 そうめん」でツイッター検索すれば出てきます)を参照した。暑い山の中で冷たい食事というのは、それだけで決勝シード権を得たようなものだ。

前日からの準備で既に勝利を確信。準備から約束された優勝。そうこれは優勝登山。

自宅で早朝、フードコンテナにそうめんとめんつゆ氷をぶちこんで夢と一緒にザックへ。

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海沢沿いに登り、三つ釜の滝、ネジレの滝、大滝へ。百尋の滝よりも好きだ。静謐な時間が身を包んでいく。

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スープジャーで5時間寝かしたそうめんは、めんつゆ氷も残って冷え冷えの冷え。ヒャドヒャドのヒャド。大葉とミョウガを刻み、そのビートに押されて生姜とにんにく、梅干しを添える。皿の左面にはセブンのサラダ用の焼き鯖を配する。追いめんつゆをぶっかけ、無心にかっこむ。うめえ...

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漬け込んだ焼き肉をフライパンへ。サンチュに巻いて口に運ぶ。うめえ。いささか欲張りすぎた。
下馬評通り、見事、優勝登山を果たした。探勝してドン勝。あらゆる瞬間、勝ちを探して集めていけ。

デザートに持ってきたさくらんぼを頬張って、音の小さな優勝パレードは終わった。

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優勝を終えた途端、山頂に向かう気がしぼんでしまった。なぜならもう満ち足りているのだから。

滝までのアプローチ、奥多摩の町を歩き続けたわけだけど、、おばあちゃんちみたいな日本家屋の庭には花壇や畑があり、風が通るような暮らしがあって「生活のほんとう」がここにはある気がした。水俣もこんな場所だったのだ。

アプローチまでの道を地図を片手におじさんふたりに尋ねたら親切に10分近く教えてくれた。最後に「こんだけ伝えたなら山登ったも同然だから今日はもう行かなくて良いよガハハハハハ」と奥多摩ジョークを繰り出してきた。奥多摩おじさんセンスの化身では

奥多摩良いとこ、優勝登山のできるとこ。

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